概要・沿革筑後川土地改良区
概要
| 設立年月日 | 昭和52年2月1日（合併設立認可番号：福岡546号） |
|---|---|
| 表彰歴 | 昭和63年3月24日 全国土地改良功労者（団体）金賞 平成10年7月30日 国土庁水資源功労者表賞 平成22年3月26日 農林水産大臣賞 |
沿革
本土地改良区の前身は、筑後川からの農業用水の安定取水を目的として、明治４２年１０月に耕地整理事業の認可を受け、大正２年１月大善寺地区・大正３年５月安武地区及び三潴地区・大正３年８月江上線地区・大正１１年８月青木三又地区の５耕地整理地区（後の土地改良区）を設立後、昭和５１年から実施された国営筑後川下流土地改良事業（筑後川に点在した水利権を筑後大堰上流地点に合口し、筑後川左右岸農地への安定供給と旱魃時等に対応することを目的とする）の実施に伴い、既得水利権並びに自家用水力発電所（八女市黒木町）存続のため、昭和５２年２月１日に筑後川土地改良区として新たに発足した。
立地
本土地改良区は、古くから「筑紫次郎」と称される我が国の代表河川である筑後川の左岸下流域に位置する沖積平野の中で、福岡県久留米市・筑後市・大川市・三潴郡大木町の3市1町に跨る南北約10Km・東西約13Kmの区域で、地区面積3,375ha(平成28年4月1日現在)・組合員4,091人(平成28年4月1日現在)の土地改良区である。
維持管理
本土地改良区が行う施設の維持管理は、水資源機構が管理運営する筑後揚水機場・筑後導水路を起点として、地区内における国営・県営各施設と従来からの土地改良区施設を相互利用することから、国・福岡県・佐賀県・関係市町・水資源機構・関係土地改良区・水利組合・ＪＡ・関係団体との連絡調整を行いながら良好な施設管理と極め細やかな配水調整を実施している。
また、本土地改良区内部にあっては地区運営委員会５地区（総代・役員で構成）を組織し、地区毎に抱える課題や組合員における施設管理意識の向上や自主的取り組みの醸成に努めている。
地区運営委員会では、毎年度夏期用水終了後に施設の現地調査を行い、揚水機・用水路等の維持管理に必要な予算編成のための事前協議を実施している。
夏期かんがい期（６月１日～１０月１５日）にあっては、地区運営委員会からの推薦で組合員の中から配水員３３名を臨時に雇用し、営農状況と貯水状況を随時把握しながら、各地区における次の日の必要水量・通水時間を通水実施本部（水資源機構内に設置）に要請することにより安定的な用水確保を行っている。
更に、夏期かんがい期間に限り自家用水力発電所で発生する電力の一部を土地改良区が所有する揚水機（１１機場）の動力源として、九州電力（株）の送電線を利用し消費電力約６０万ｋｗが無償であることから組合員の負担軽減になっている。
発電事業
安武・大善寺・三潴町・江上線・青木三又の5耕地整理組合は、電力料金高騰の対策として大正３年６月、共同出資により三潴郡北部耕地整理共同会を設立し大正７年５月一級河川矢部川の水利権を取得、八女郡大渕村に灌漑用揚水機の動力源として出力１，５００kwhの自家用発電所建設に着手、大正１２年着工、大正１４年６月完工、名称を矢部川発電所とし送電（自家用送電線・自家用変電所）を開始した。
しかし、昭和３１年に開始された県営矢部川総合開発事業により、矢部川発電所の取水口が水没することから、昭和３６年同発電所を閉鎖、その代替施設として福岡県の責により昭和３８年、出力１，５００kwhの新矢部川発電所（福岡県企業局木屋発電所と併設）を八女市黒木町北木屋に設置し、福岡県企業局との協定並びに九州電力(株)との託送契約により、当土地改良区管内の揚水施設に対し、平成７年度夏期かんがい期までは、揚水機場２２ヶ所「揚水機２９台」・排水機１台・河川用ゲート１台（下記資料参照）に年間約３００万kwを受電し、平成８年度夏期かんがい期からは、揚水機場１１ヶ所「揚水機１２台」に年間約６０万kwを受電している。
揚水施設一覧(PDF:31KB)
運営
土地改良施設の維持管理及び運営については、総代１３０人、役員２０人（理事１７人・監事３人）、職員１３人、季節雇用者３３人で行っている。
賦課金の徴収率は、近年の農家経営の厳しさもあって滞納される組合員も見受けられるが、滞納者にあっては総代・役職員にて戸別に訪問を行い滞納者の減少に努めており、各年度における徴収率は９８～９９％を堅持している。
本土地改良区は、１００年の長きにわたり土地改良施設の良好な維持管理を通じて、地域農業の変化に即応しながら、土地改良施設が果たす多面的な機能を有効に発揮すると共に、その重要性を充分に認識し常に組合員や地域の要望に誠実に報いると同時に、国・県・市町・水資源機構・JA等と連携しながら農山漁村の振興に努めている。
組織体系
