メインロゴ

筑後川土地改良区について

施設案内

従前の取水形態(大正2年度~平成7年度まで)

本地区の概要

本地区は、筑後平野の広大な水田地帯で、古くから用水確保のため有明海の干満差を利用した淡水(アオ)取水地域、広川、山の井川等流域の狭い中小河川に依存していた地域で、干ばつ時になると急激な流量の減少により用水不足に悩んでいました。また筑後川上流山地及び山麓部からの排水は、地区内を流下している河川により有明海に排出されますが、下流水田地域の排水は、クリーク(用排兼用水路)及び主要排水路により樋管、樋門を利用して排水されています。

淡水(アオ)取水のしくみ

筑後川は、有明海の大きな干満差(5m以上に及ぶ)により満潮時には海水が河川を遡上し、河川水は上流又は表層に押し上げられます。一方、筑後川下流地域は、自然陸地化、干拓事業により造成された低平地で、その大部分は海抜5m以下の地域となっています。これらの特徴から、本地域では、押し上げられた河川水をクリーク等に貯え、農業用水として利用してきました。これらを一般的に淡水(アオ)取水と呼んでいます。

淡水取水の施設には、ポンプ、樋管・樋門がありますが、潮位や塩分濃度の関係から、限られた短時間で多量の取水をしなければなりません。地区内には、無数のクリークがあるため、土地利用の制約を招き、農業生産力の向上や地域社会の発展等を阻害する要因となっていました。

筑後川土地改良区は揚水機(29台)によりアオ取水を行っていた。

現在の取水形態(平成8年度から)

取水量

農業用水

夏季 毎年6月1日~6月20日 筑後川左岸最大 筑後取水口:12.63㎥/s
毎年6月21日~10月10日 筑後川左岸最大 筑後取水口:13.54㎥/s
冬期 毎年10月11日~翌年5月31日 筑後川左岸最大 筑後取水口:3.47㎥/s

取水施設の概要

取入水路 左岸 Q=13.54㎥/s
L=0.5km
揚水機場 筑後揚水機場
(水資源機構)
Ф1200mm×3台 ☆運転監視補助業務受託施設(8.7㎥/s)
Ф900mm×3台 三潴揚水機場下流側取水施設(4.84㎥/s)
管水路等 筑後導水路
(水資源機構)
Q=13.54~0.99㎥/s ☆筑後導水路上流部施設操作等受託施設(三潴揚水機場上流側:分水口8箇所)
L=16.7km
分水口15箇所

☆印は、独立行政法人水資源機構から筑後川土地改良区が受託した業務

筑後川下流域の土地改良事業

筑後川下流域では、農業の近代化と経営の合理化を図るため、農林水産省、福岡県、水資源機構の3者が事業を一体的に行っています。

農林水産省(事業開始:昭和51年度)

「筑後川下流土地改良事業として、筑後平野における農業地帯の用排水路を整備し、農業用水の安定的な確保を図ること、排水改良などを目的として、幹線水路や排水機場・排水樋門などを建設しています。

福岡県(事業開始:昭和49年度)

水田の1枚あたりの面積を大きくして、大型農業機械が入りやすくするための「ほ場整備事業」や、用排水を分離して米・麦・イチゴ・い草などのいろいろな農産物の生産性を向上するための「かんがい排水事業」などを行って、農業の近代化と経営の合理化を進めています。

水資源機構(事業開始:昭和56年度)

「筑後川下流土地改良事業」のうち、筑後大堰上流から取水するための揚水機場や導水路などの基幹的な施設を「筑後川下流用水事業」として水資源開発公団(現・水資源機構)が建設しました。現在は建設した施設の管理を行っています。



これらの事業によって、農業用水の利用が安定し、ほ場整備が行われて、農作物の生産性が向上する地域の面積は、約15,000ha(筑後川左岸地区)になります。

地区の経緯、概要

地区の経緯、概要

筑後川下流左岸地区は九州最大の河川である筑紫次郎・筑後川の下流左岸側に位置する極めて平坦な水田農業地帯である。クリークが迷走し、狭小、不整形な水田が広がっていたこの地で、昭和51年度、国営筑後川下流土地改良事業が着手され、併せて各種の土地改良事業が行われた。筑後導水路の建設、幹線用排水路を始めとする各種水利施設の整備、ほ場整備等と相まって一帯は大区画汎用農地へと変貌し、新しい農業へと脱皮する基盤が作られた。

また、これらと並行して従来の淡水(アオ)取水は筑後大堰の建設とともに合口され、まったく新しい取水方式に切り替り、これに伴い地区内の用水系統も大きく再編、合理化されることとなった。

そして、平成19年度、筑後大堰関連の国営事業施設完了とともに、管理の時代の幕開けとなり、平成20年度から関係5市町を事業主体とする基幹水利施設管理事業が着手されると同時に、関係土地改良区による用水管理が開始された。

≪合口取水≫

合口取水

≪※拡大図≫

合口取水2